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2025年2月15日

糖尿病だいじょうぶ?

大澤さおり
読了時間: 約2
糖尿病の男性のイメージ

糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者さんが来院される度に、正直に言って『きちんと通院されていてなんてえらいのでしょう。』と感心いたします。なぜなら、その方々の大半は何の症状もないのに、交通機関を利用して時間を使い、医療費を使い、採血をされ、さらに医師から耳の痛い話を聞かされるからです。痛みのある患者さんと、無自覚、無症状の患者さんには大きな違いがあります。自分の不快感を取り除く治療を受けるには、高いハードルはありません。しかし、無自覚、無症状の方々に通院を継続していただくには動機付けが必要となります。

 厚生省の発表では1999年糖尿病患者数は690万人以上、これに予備軍を加えると1400万人以上に達し、糖尿病患者数の増加と共に血管合併症も増加し、医学的、社会的、医療経済的に大問題となっております。にもかかわらず別の調査では、高血糖を有する男性で、それを健康上の問題としてとらえていた人は全体の25.7%という低い結果でした。

 持続する高血糖が細小血管障害(網膜症、腎症、末梢神経障害)を惹起し、さらには動脈硬化も進行させます。脳梗塞、心筋梗塞、腎不全、失明など、糖尿病が進行した状態で発症してくる合併症は、生命に直結するリスクを増し、また日常生活に及ぼすダメージも絶大です。

 我々の役目の一つは、糖尿病の危険性をより多くの糖尿病患者さんや予備軍の方々に知っていただき、症状のない現在をいかに大切に過ごすか、将来の合併症の防止につなげるにはどうするかをお知らせする事だと思います。判断されるのはあくまで人生の主役、あなたです。

 もし健康診断などで血糖値や尿糖に異常があった方や、口渇、頻尿、おしっこから甘い匂いがするような方は、一度医師にご相談されてはいかがでしょうか。

この文は朝日新聞、”ほ~むめいどあさひ”、”健康通信すこやか”掲載されました。

著者紹介

大澤さおり

大澤医院 内科医

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